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小児期のお口「口腔機能発達不全症」

[公開日:2025/5/9 /最終更新日: 2025/5/9 ]

子どもたちの笑顔にのぞく可愛い歯、子どもの笑顔は本当に癒されます。半世紀前のむし歯の洪水時代は歯科医院は治療の子供で溢れかえっていました。 では、令和の現在、子どもたちのお口はどうなっているのでしょう。本日は2018年に保険の対象となった子供のお口の機能のお話をしたいと思います。

DENTAL HYGIENIST’S PROFILE

小児期のお口「口腔機能発達不全症」

梅花女子大学 看護保健学部 口腔保健学科

教授・歯科衛生士

ながい るみこ

永井 るみこ先生

小児期のお口「口腔機能発達不全症」

最近の子どもたちの間で問題となっている口腔機能発達不全症とは?

虫歯が減り、矯正が増えている現代の子どもたち

もうすぐ「6月4日」。皆さんよくご存じの「むし歯予防デー」です。いえ今は6月4日からの1週間を「歯と口の健康週間」と呼んでいます。11月1日のいい歯の日もありますね。今から半世紀前の日本はう蝕(むし歯)の洪水時代でした。その中、歯科衛生士として「むし歯のない子供をつくろう!!」と小児歯科の道を選び、毎日毎日むし歯を作らない為にと子供たちやその保護者に日常的な歯みがきやおやつの取り方を指導していたことを今は懐かしく思い出します。
令和の現在、本当に小児のむし歯は減っています。今私が教えている歯科衛生士を目指す大学生も、むし歯のない学生が多く、きれいな歯をしています。しかし、反面、矯正をしている、またしていた学生は非常に多くなっています。今、子どもたちの口の中はどうなっているのでしょう?本日は今問題となっている「口腔機能発達不全症」について知って頂ければと思います。

口腔機能発達不全症とは?

皆さんはお口(口腔)の機能を考えたことはありますか?口腔の役割は「食べる」「呼吸をする」「話す」など命に関わり、全身の健康にも影響しています。高齢者における摂食嚥下障害や誤嚥性肺炎の発症などもこの「口腔の機能」の低下に原因があります。
「お口ポカン」「うまく飲んだり、食べたりができない」「発音が不明瞭」などの症状があれば口腔機能が十分に発達していないのではないかと疑ったほうが良いでしょう。口腔機能の発達は離乳食から始まっており、お口の筋肉のトレーニングで改善することが多い為、2018年に「口腔機能発達不全症」という新病名ができ保険治療の対象となりました。

対応方法としては歯科医院での質問表による評価等によりその方法が決まります。
主な対応は
 ① 生活指導:姿勢改善や食事環境の見直し
 ② 運動訓練:口の周りの筋肉や舌のトレーニング
 ③ 専門的治療:歯科医師による矯正や舌小帯の処置
などがあります。

気になることがあれば専門家に相談を

何か気になることがあれば、一度歯科医院を訪れて相談してみるといいでしょう。
人生100年時代。むし歯や歯周病の予防にも気を付けて、食べる喜び、話す楽しみを生涯続けてくださいね。

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